教員・研究室紹介

人類未到の超高エネルギーを持つ宇宙線の謎に挑む

高エネルギー粒子観測研究室

宇宙では、至るところに高エネルギーの粒子「宇宙線 (Cosmic Ray)」が飛び交っています。その中でも特にエネルギーが高い「最高エネルギー宇宙線」は、宇宙線がどうやって高いエネルギーを得て、どこを通って地球までやってきたのか、謎に包まれたその正体を知る手がかりになると期待されています。

本研究室では、アメリカ・ユタ州の砂漠地帯で行われているテレスコープアレイ実験に参加し、最高エネルギー宇宙線の観測による宇宙線発生起源の探索や、銀河間・星間空間での宇宙線伝播の研究をしています。

研究キーワード

最高エネルギー宇宙線
空気シャワー現象
大気蛍光
遠隔/自動観測

研究分野

超高エネルギー宇宙線観測
荷電粒子検出器開発
リモートセンシング

研究紹介

地球に到来した最高エネルギー宇宙線は、大気分子の原子核に衝突し、100億個以上の粒子が数kmの範囲に降り注ぐ「空気シャワー現象」を起こします。テレスコープアレイ実験では、地表に到達する空気シャワー粒子をサンプリングする地表検出器アレイと、粒子が空気中で発する微弱な光を捉える大気蛍光望遠鏡を併用し、最高エネルギー宇宙線を観測しています。

本研究室では、テレスコープアレイ実験の一員として、現地での観測オペレーションや装置のメンテナンスに参加しています。また、空気シャワー現象を理解するためのモンテカルロ · シミュレーションや、粒子の種類を識別できる高機能な地表検出器の開発、大気蛍光望遠鏡を較正するための大気透明度測定の研究など、観測装置の性能向上のための研究・開発を行っています。その他、望遠鏡格納庫を始めとした各種観測設備の遠隔化/自動化にも取り組んでいます。

発表論文

  1. E.Kido, K,Hibino, D.Ikeda, S.Udo, et.al., “Surface detectors of the TAx4 experiment”, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A, 1019, 165726 (2021).
  2. B.K.Shin, K,Hibino, D.Ikeda, S.Udo, et.al., “Gain Monitoring of Telescope Array Photomultiplier Cameras for the First 4 Years of Operation”, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A, 768, 96-103 (2014).
  3. M.Amenomori, K.Hibino, S.Udo, et.al., “Anisotropy and Corotation of Galactic Cosmic Rays”, Science, 314, 439-443 (2006).