宇宙では壮大なスケールで激しい天体現象が起こっています。そこでは電子や陽子などの粒子が光速近くまで加速され、粒子からX線・ガンマ線といった電磁波が放出される他、粒子自身も宇宙線として宇宙空間を飛来して地球に届きます。
しかし、宇宙があまりにも広大であるがゆえ、検出されるのは微弱な信号です。既製品で観測ができるようなら、とっくの昔に誰かが成果を挙げてしまっているので、最先端分野では新たな装置を独自に開発する競争です。装置シミュレーション、回路・データ取得システム開発、性能評価試験、そしてデータ解析手法に至るまで創意工夫の勝負です。もちろん、利用できるものは利用しますが、無いものは作ってしまいます。
図:CERNでの加速器ビーム照射実験によるCALETの構造熱モデルを使った性能評価試験
宇宙では電子などの粒子(宇宙線)が、地球上では考えられない高エネルギー現象の中で光速近くまで加速され、地球にも降り注いでいます。この宇宙線を気球や宇宙ステーションにおいて観測するための装置を開発してきました。
そのために、検出器構造の設計、信号処理回路やデータ取得システムなどの研究開発と同時に、取得したデータから結果を導き出すデータ解析にもオリジナリティが必要です。現在はJAXA(宇宙航空研究開発機構)と各大学で共同開発した観測装置が国際宇宙ステーション(ISS)に搭載され、宇宙線の観測を行っているところです。